一 国外犯処罰
第百九十八条(贈賄)の罪を、国民の国外犯とするものとすること。(第三条関係)
二 封印等破棄
公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第九十六条関係)
三 強制執行妨害目的財産損壊等
強制執行を妨害する目的で、1から3までに掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとし、情を知って、3に規定する譲渡又は権利の設定の相手方となった者も、同様とすること。(第九十六条の二関係)
1 強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為
2 強制執行を受け、又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損し、又は強制執行の費用を増大させる行為
3 金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為
四 強制執行行為妨害等
1 偽計又は威力を用いて、立入り、占有者の確認その他の強制執行の行為を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第九十六条の三第一項関係)
2 強制執行の申立てをさせず又はその申立てを取り下げさせる目的で、申立権者又はその代理人に対して暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とすること。(同条第二項関係)
五 強制執行関係売却妨害
偽計又は威力を用いて、強制執行において行われ、又は行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第九十六条の四関係)
六 加重封印等破棄等
報酬を得、又は得させる目的で、人の債務に関して、二から五までの罪を犯した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第九十六条の五関係)
七 公契約関係競売等妨害
偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第九十六条の六第一項関係)
八 不正指令電磁的記録作成等
1 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、イ又はロに掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するものとすること。(第百六十八条の二第一項関係)
イ 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
ロ イに掲げるもののほか、イの不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2 1イに掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、1と同様とすること。(第百六十八条の二第二項関係)
3 2の未遂は、罰するものとすること。(第百六十八条の二第三項関係)
九 不正指令電磁的記録取得等
八1の目的で、八1イ又はロに掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するものとすること。(第百六十八条の三関係)
十 わいせつな電磁的記録に係る記録媒体等の頒布等
1 わいせつな電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科するものとし、電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とすること。(第百七十五条第一項関係)
2 有償で頒布する目的で、1の物を所持し、又は1の電磁的記録を保管した者も、1と同様とすること。(同条第二項関係)
十 一 電子計算機損壊等業務妨害の罪の未遂
電子計算機損壊等業務妨害の罪の未遂は、罰するものとすること。(第二百三十四条の二第二項関係)
一 差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体からの複写
1 裁判所は、差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、当該電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は他の記録媒体を差し押さえることができるものとすること。(第九十九条第二項関係)
2 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、1の処分をすることができるものとすること。(第二百十八条第二項関係)
3 1又は2の場合には、差押状又は差押許可状に、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならないものとすること。(第百七条第二項、第二百十九条第二項関係)
二 記録命令付き差押え
1 裁判所は、必要があるときは、記録命令付き差押え(電磁的記録を保管する者その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下同じ。)をすることができるものとすること。(第九十九条の二関係)
2 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、記録命令付き差押えをすることができるものとすること。(第二百十八条第一項関係)
3 記録命令付き差押状及び記録命令付き差押許可状には、記録させ又は印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ又は印刷させるべき者を記載しなければならないものとすること。(第百七条第一項、第二百十九条第一項関係)
4 3のほか、記録命令付き差押えについて所要の規定の整備を行うものとすること。
三 電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法
1 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えてイ又はロの処分をすることができるものとし、公判廷で差押えをする場合も、同様とすること。(第百十条の二関係)
イ 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
ロ 差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
2 押収物が1により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた他の記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者が異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならないものとすること。(第百二十三条第三項関係)
3 1及び2は、検察官、検察事務官又は司法警察職員がする差押えに、これを準用するものとすること。(第二百二十二条第一項関係)
四 電磁的記録に係る記録媒体の差押状の執行を受ける者等への協力要請
1 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができるものとし、公判廷で差押え又は捜索をする場合も、同様とすること。(第百十一条の二関係)
2 1は、裁判所がする検証についてこれを準用するものとすること。(第百四十二条関係)
3 1は、検察官、検察事務官又は司法警察職員がする差押え、捜索又は検証に、これを準用するものとすること。(第二百二十二条第一項関係)
五 保全要請等
1 捜査については、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、九十日を超えない期間を定めて、これを消去しないように求めることができるものとし、この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付き差押えをする必要がないと認めるに至ったときは、当該求めを取り消さなければならないものとすること。(第百九十七条第三項関係)
2 1の求め又は第百九十七条第二項の捜査関係事項照会を行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらの要請に関する事項を漏らさないよう求めることができるものとすること。(第百九十七条第四項関係)
六 電磁的記録の没収のための所要の規定整備
1 不正に作られた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還し、又は交付する場合には、当該電磁的記録を消去し、又は当該電磁的記録が不正に利用されないようにする処分をしなければならないものとすること。(第四百九十八条の二第一項関係)
2 不正に作られた電磁的記録に係る記録媒体が公務所に属する場合において、当該電磁的記録に係る記録媒体が押収されていないときは、不正に作られた部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならないものとすること。(第四百九十九条の二関係)
一 目的
法律の目的に、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため」を加えるものとすること。(第一条関係)
二 犯罪収益の定義
次に掲げる財産を犯罪収益に加えるものとすること。(第二条第二項関係)
1 財産上の不正な利益を得る目的で犯したイ又はロに掲げる罪(本法による改正前の別表に掲げるものを除く。)の犯罪行為により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産
イ 別表第一第一号、第二号、第四号若しくは第五号又は別表第二に掲げる罪
ロ イに掲げるもののほか、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪
2 第三の四の罪の犯罪行為である共謀をした者が、その共謀に係る犯罪の実行のための資金として使用する目的で取得した財産
3 第三の五の罪の犯罪行為により供与された財産
三 組織的な強制執行妨害行為の処罰
1 第一の二から第一の五までの罪に当たる行為が、団体の活動として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。(第三条第一項関係)
2 団体に不正権益を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で、第一の二から第一の五までの罪を犯した者も、1と同様とすること。(第三条第二項関係)
四 組織的な犯罪の共謀の処罰
1 イ又はロに掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、それぞれイ又はロに定める刑に処するものとし、ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除するものとすること。(第六条の二第一項関係)
イ 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
ロ 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
2 1イ又はロに掲げる罪に当たる行為で、団体に不正権益を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、1と同様とすること。(第六条の二第二項関係)
五 証人等買収の処罰
1 イ又はロに掲げる罪に係る自己又は他人の刑事事件に関し、証言をしないこと、若しくは虚偽の証言をすること、又は証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造すること、若しくは偽造若しくは変造の証拠を使用することの報酬として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処するものとすること。(第七条の二第一項関係)
イ 別表第一に掲げる罪
ロ イに掲げるもののほか死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪
2 1イ又はロに掲げる罪に当たる行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合、又は1イ又はロに掲げる罪が、団体に不正権益を得させ、若しくは団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で犯された場合において、1の罪を犯した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処するものとすること。(第七条の二第二項関係)
六 その他
犯罪収益の拡大に伴い、没収保全、追徴保全、捜査機関等への情報提供及び国際共助手続の対象となる犯罪を拡大するほか、所要の規定の整備を行うものとすること。